菅田:今回は『ディストラクション・ベイビーズ』で見えていなかった部分を知りました。 簡単にいうと撮影現場は、監督やスタッフさんとシーン割や撮り方を決める「ドライ」(リハーサル)というものを初めにやります。次にカメラを置いて「テスト」、良さそうであれば「本番」と3工程があるんです。 小松さん演じる夏芽は、終始泣いている役なんです。最初の工程「ドライ」からあんなに泣いている人を初めて見ました。17日間もあるのに、毎日そんなに泣いて大丈夫?3段階のここからやるの?って思っていて。例えれば、小1から大学受験
ロエベスーパーコピー勉強を始めるみたいなもんですよ。その感じは久しぶりに見ました。まだまだ映るのは先だよって思いながら、止めようとはしませんでした。 役者としても目覚めさせられるものがありましたか。 菅田:ありました。絵が見えやすいし、方向性もつかみやすい。ただ本番は全く違うことをするから(笑)。狙いなのか、自分でも抑えられない何かあるのか。どっちにしろすごい面白い演者だなと思いました。どんなに現場が大変でも、先陣きって瀧に打たれに行く精神力を持っているから皆もついていこうという気持ちになったんだと思います。 小松:狙いじゃないですよ、不器用なんです。急に本番で涙を出せって言われても無理ですし、そこに向けて貯めていかないとできないので。最初から感情を作っていかないと、そこまでいく時間が長いんです。
本番で泣きすぎて泣けないことはないのでしょうか。 小松:出来なくなったこともあります。「おーい、なんで本番で出来ないんだよ」と言われたこともありましたね。うまく感情をコントロール出来るようになりたいですけど、難しいですね。 小松と菅田の間に生まれた絆 菅田さんの尊敬するところは? 小松:菅田さんは、最初のイメージではクールボーイ。今回も漫画から飛び出してきたかのように、見た目も雰囲気もまさにコウ。追いかけたくなる存在で、どの作品に出ても眼をひきますし、主役を支える役でも存在感を残す。もっと色々な作品を見たくなるような俳優さんです。 ただ、初めはほとんど話さず黙々とやるタイプなのかなと思っていました。『ディストラクション・ベイビーズ』で暴行シーンがあったのですが、実際に当てて(=殴って)もらわないとその感情がわからないなと考えていて。そうはいっても‟女優さんだから と本番では殴ってもらえないんじゃないかなと思っていたんです。それまであまり話していなかったのですが、菅田さんに「ちゃんと当てて欲しい」と伝えたら、「もちろんそのつもりだよ」という一言があって。この人すごいなって思いました。互いが遠慮せずに全力で出来る関係だ
ブランドマフラーコピーなと感じています。 菅田:確かに、あの一瞬でわかったよね。
小松:信頼関係が『ディストラクション・ベイビーズ』で生まれて、そこからの『溺れるナイフ』。菅田さんはギターを持ってきて休憩中に弾いたり、自分がリラックスする方法分かっていて、すごく自由でした。その現場での佇まいやスタッフさんに対する態度、それと監督に無理難題を言われても、あっさりこなしてしまうところから、柔軟性がある役者さんだなと感じています。 出演作やキャラクターによっても全然違うし、髪型や服装もそのキャラクターのために掴めていて、素晴らしいなと見ています。 菅田さんは現場にこだわりがあるのですか? 菅田:いかに、自分が気持ちよく楽しくカメラの前に立てるかが全てです。役作りのために痩せたとか、何かしたといっても、そこで自分が安心しないと意味がないですから。自分が不安だからやるだけです。